安倍元首相の射殺事件をきっかけに、「宗教者二世」が注目されている。親と同じ宗教を信仰する子どもたちである。その何人かにインタビューした。
旧統一教会の二世信者たちが苦悩を語る。
両親が旧統一教会の信者だった女性は、「普通の家庭に生まれたかった」と言う。
末日聖徒イエス・キリスト教会の元信者の両親と合同結婚式を挙げた「宗教家」2世のカナさん(仮名・30代)。彼女は、傷のない「神の子」として育てられた。
信徒2世の佳奈さん。
一番印象に残っているのは、家族3人でディズニーランドに行きたいと言い出したことです。お金がないのは分かっていたので、貯金箱に貯めることにして、一生懸命貯めていたんです。
ある日、彼が “話があるんだ “と言ってきたんです。今度、寄付をしなければならないから、このお金を使っていいか」と言われたんです。
あまりの嫌さに大泣きしてしまいました。大泣きしてましたよ。ディズニーランドに行くって言ってたじゃないですか。
高校卒業まで教会に通い、その後、教会とは縁を切ったが、母親は今も信者で、これまでに数千万円を寄付している。
教会の教えを守るため、生活にはさまざまな制約があり、自由に恋愛もできない。
宗教家2世のカナさん.
デートに行こうとすると、親が車で追いかけてきて、「神様が悲しむぞ」と怒鳴られました。普通の人はサタンの世界の子どもだから、原罪のない二世と結婚しなさいと言われたんです。
教会の教えへの違和感が確信に変わったのは、実家を離れて大学に進学し、自由に恋愛をするようになった佳奈のことだ。
安倍元首相の狙撃事件後、母親に教会への信仰をどう感じているのか聞いてみると……。
佳奈の母:
神様を中心とした家庭、国をつくりたかった
宗教家2世の佳奈さん :
教会の教えでそういう家族にはなれなかったんだね。思い通りにならなくて、これからどうするんですか?
佳奈の母。
このままでは、いつか子どもや孫に悟られてしまうわ。
家族より宗教を優先する母に絶望しつつも、つながりを断ち切りたくないという複雑な思いに悩まされる。
宗教家2世の佳奈は:
普通の家庭に生まれたかったし、たくさん泣いたこともあったし……。母を悲しませたくないという気持ちもあります。
のページをご覧ください。2
宗教家二世が自分の境遇を共有する「オンライン自助グループ
さまざまな宗教の元信者2世が、互いの事情を共有できる場がある。
京都府立大学の横道准教授だ。
実際に傷ついている人がいることを隠さないようにしたい。
京都府立大学の横道誠准教授は、主催者である。母親はキリスト教の新宗教の信者だった。
ネット上の自助グループでは、宗教家2世が悩みやつらい体験を語っている。
旧統一教会の2世。
昨夜、強烈なフラッシュバックを経験しました。親が私の秘蔵していた「てれびくん」(ヒーロー雑誌)などをストーブの上や庭で燃やしたのです。そういうことを思い出した。
京都府立大学の横道准教授。
今のお話は、私自身の過去に似ている気がしました。自分の過去がフラッシュバックして…。思春期の頃、毎日机の周りで何が起こっているのか聞かれ、自己批判をするように煽られた。
俗世間と付き合わないように育てられたので、今でも普通の人間関係が結べないんです。
“世俗 “と関わらないように育てられたので、今でも普通の人間関係が築けません。
宗教から離れ、長い年月が経った今でも、こうした宗教家二世は過去の体験が傷となり、人生に影響を及ぼしているのである。自助努力の会では、このような宗教家二世を少しでも減らしたいという思いから、宗教家二世への支援について考えるひとときがあった。
仏教系宗教団体3世:
いくら宗教が絡んでいても、宗教活動に没頭して食事の支度をしないとか、そういう場合は虐待案件として児相が入ってこれるような状況が欲しいですね。
この家から出たい」と言ったときに受け入れてくれるところがあればいいんですけどね。”親の面倒を見る “とか “家族と話す “ではなく、”家族と話す”。
という意見もありました。